今回の旅で私は、以下の4つのことを強く心に感じました。
@ 人の心は、環境によって変化する。
テカポに行った時、あの青い湖と静寂さの中にいると、何もなくても心が温かくなり、幸せな
気持ちになりました。これは、私だけではなく、周りの人たちの雰囲気も、どこかゆったりと
していて幸せそうに見えました。人がそうであれば、動物にもその心は伝わるのでしょう・・・
雀が、手移しでビスケットを食べてくれました。この行為はハワイのホノルル以来のことでした。
これは、“人が悪さをしないから・・・人の心がゆったりとしているから”だと思います。
また、観光地では、本当にほとんど道路にもゴミは落ちていませんでした。確かに私自身も
あれほどまでに、綺麗にされているのを見ると、ゴミを落とす気持ちには、けっしてなれません。
踏み切りにしても、線路を横断する時は、全ての車が“一旦停止”(常識ですが)していましたが、
観光地以外の特に町の中では、ゴミも落ちていて、踏み切りは、一旦停止しない車が目立ちました。
“環境は、人の心に影響を及ぼす”ということを、改めて感じました。
そして、“人は意識的に、時々は美しい物や景色を見る必要がある”と、そうしないと、気づかない
うちに、心がすさんでいるかも知れない・・・と、強く思いました。
A ニュージーランドは、“自転車に優しい国”である。
これまで私は、様々な国を旅してきましたが、これほど“サイクリストにとって優しい国”は
ありませんでした。キャラバンパーク(キャンプ場)の多さと整った設備・・・道路の広さ・・・
車の少なさ(町から少し離れると)、そして何よりも、“景色の美しさ”・・・どこを走っても、
本当に美しく、そのほとんどが日本に例えると、北海道の富良野や、阿蘇の草千里だったり、
宮崎の日南海岸を走っているような感じでした。
ただ、あまりにも設備が行き届いているため、“民家が大好きな(世界一周の時は、北米や南米では、
ほとんど毎日、民家にお世話になったので)”私のような者としては、民家に行くキッカケがないので
ものたりなく感じました。そういう意味では、数人のグループで走る方がいいかも知れません。
若者へのアドバイスとして・・・・もし、私が20年前の世界一周の途中で、ここを走っていた
としたら、私だったら、おそらくキャラバンパークに行かずに“民家や牧場に行った”と思います。
というのも、一日10ドル(世界一周時の平均費用)でやっていくには、そうせざるを得ないから
です。『お金がないので、テントを立てさせてほしい』とお願いして数件回ったら、どこかはokして
くれる所は見つかると思います。これは、“若いから許されること”だと思います。もし、今の君が
若かったら、“勇気を出して、民家や牧場を訪ねてほしい”です・・・・きっと、そこには新たな出会い
や感動があります。そして、それはきっと、“自分を強くし、さらなる将来への夢を抱かせてくれる”
ことでしょう・・本当にこちらの方がだんぜん面白いし、貴重な思い出をたくさん作れることは
間違いありません。“勇気を出して、青春を謳歌してほしい”です!人生は一度しかないのだから!
B “夢”を信じる人には、奇跡は起きる。
“夢や目標”に向かって精一杯頑張っている人には、奇跡は起きる・・・
頭の中だけで考えただけで、『自分には出来ない』と思って実行に移さない人、移せない人は多いと
思います。実行となると本当に勇気が必要です。
今回の旅は20年ぶりということもあり、気力や体力面からも、とても不安でした。
『はたして最北端のケープリンガまで行けるのだろうか?』と思いながらの旅でした。
ですから、無事にたどり着いた時の瞬間は、本当に感無量の一言でした。
また、人はよく“親友は大人になると作れない”と言いますが、このことは、必ずしもそうでない
と思いました。“歳の差や性別に関係なく、気が合う、フィーリングが合う人は、必ずいる”ことを
強く感じました。一番大切なことは、その“必ずいる”と信じることだと思いました。
C 女性は、たくましい。
旅の中で私は、多くのワーキングホリデーで来ている若者、特に女性と出会いました。
正直言って、旅に出る前までは『20代の女性は子供だ』と思っていました。ですが、この考えは
間違っていることに気づきました・・・皆しっかりとした考え方を持っていて、一生懸命に生きて
いました・・・子供扱いしていた自分がとても恥ずかしくなりました。
アルゼンチン(パタゴニア)*南米の旅から